モバイルファーストとは
モバイル向けを最優先に考えることを「モバイルファースト」と呼びます。これはホームページやアプリケーションなどのウェブコンテンツを、パソコン向けのものよりも携帯端末向けのものを、先に企画・制作するべきという考え方です。例えばデザインや操作方法などはパソコンよりも携帯端末での使いやすさを優先することなどをいいます。
かつてはホームページやアプリケーションのモバイル版というのは、どちらかというとパソコン版のおまけのようなイメージで、モバイル版にはパソコン版よりも制限があったり操作性が劣ることがよくありました。そして、そういったやり方ではいけないと感じた企業がモバイルファーストという考え方を取り入れるようになりました。
「モバイルファースト」の考え方にはいくつか利点があります。モバイルには画面幅や操作方法に通信速度などパソコンと比べて厳しい制約のある中で制作することによって、逆に余分な要素を削ぎ落し、本当に必要な要素だけを詰め込んだコンテンツが期待できます。またタッチパネルやGPS情報などモバイルにしかない機能を活用することで、PC版をメインに制作するときには生まれなかった革新的な機能・サービスが生まれることも期待できます。
真の意味でモバイルファーストの時代へ
「モバイルファースト」という言葉自体は数年前から盛んに言われるようになっていました。その背景には、当然スマートフォンやタブレットが急速に普及したことがあります。しかしこれは、将来的にモバイル向けマーケットがどんどん広がっていくから対策しなければいけないだろう、という予測の観点から言われていたことでした。しかし現在、もはやこういった状況は予測の話ではなくなりつつあります。
2014年12月のニールセン株式会社は、スマートフォンとPCを利用したインターネット視聴率調査結果をもとに、2014年のGoogleの検索においてはスマートフォンがパソコンを上回る結果となったと発表しました。さらに2014年11月のYahoo! JAPANによる調査では、この一年でパソコンのみを使うユーザーが減少、パソコンとスマートフォンの両方を使うユーザーは1.2倍、スマートフォンのみを使うユーザーは1.6倍に増えたと発表しました。
従来の「モバイルファースト」はパソコンが主流の中、モバイルに特化していくことで他社との差別化を図るという意味合いもありました。しかしこのように徐々にインターネットはモバイルで見るのが主流で、パソコンで見るほうが少数派というような時代に差し掛かってくると「モバイルファースト」の意味合いもまた変わってきます。これからはモバイルが主流でそこに力を入れるのは当たり前といった時代になってくるでしょう。モバイルを主流と考えた場合、当然パソコン向けと比べて考えるべき点が異なってきます。
モバイルの特徴から考えられる考慮点
1.どこでも見れる
今までは家やオフィスなど室内で見ていることを前提に考えていましたが、これから野外や電車内など移動中など多様なシチュエーションで見られる可能性を考慮に入れる必要があります。イスに座ってじっくり閲覧というよりは、何かをしながらといったシチュエーションも多くなるでしょう。
2.いつでも見れる
日中はもちろんですが、早朝や深夜や土日祝日などのアクセスがパソコンと比べると多いのもモバイルの特徴です。どこでも見れるという点が大きく影響していると考えられます。
3.誰でも見れる
ある程度使うために知識が必要なパソコンと違い、スマートフォンは操作が簡単です。スマートフォンしか使わないユーザーの中でも、特に子どもやお年寄りまたはインターネットに詳しくない人のアクセスも考慮する必要があります。例えばインターネットの常識や知識を強いるようなデザインや操作性よりも、誰が見ても明らかなものにする方が望ましいでしょう。
4.簡単に見れる
簡単であるがゆえに、モバイルのユーザーはより速く、より少ない手順で情報を手に入れたいと考えます。このため情報は、上記1~3のようなユーザーの状況や時間帯、年齢差や知識の差も踏まえて、よりわかりやすく、より使いやすく提供することが大切になります。
まとめ
以上のように、これからはモバイルがインターネットの主流になっていく中で、パソコンなどはまったく使わずに、スマートフォンしか使わないようなユーザーに対して、どのように接点を持つかという点がますます重要になるでしょう。インターネットとユーザーの関係性や利用動向は変わっていく中で、ユーザーのことを真剣に考えるコンテンツ制作が求められているのです。神戸のホームページ制作会社ユーシステムではモバイル用サイトの制作にも力を入れています。詳しくはこちら→