前回、アクセス解析からユーザーがホームページに何を求めているのかどんなことを期待しているのかを探る方法を紹介しました。ユーザーのニーズを把握することで、そこからホームページのコンテンツを増やすことに繋げることができます。そしてある程度コンテンツが増えてくれば、次はその内容を精査し、現状のままでいいのか、それとも何か問題点がないかを探っていく必要があります。
例えば、商品販売の店舗を運営している場合、お客さまにとって気分のいい内装や分かりやすい陳列、そして質の高い接客は売上向上には必要不可欠です。これはホームページにも同じこと言えます。見栄えの悪いデザインやわかりづらいリンクの配置、あるいは質の低い写真や文章では売上向上は望めません。しかしホームページの場合お客様の反応がダイレクトにわからない分、ホームページがどのように受け止められているのか気づきにくいという問題があります。そこで、そういった気づきにくい問題点をアクセス解析から洗い出すことができます。
全体を把握する
まず細かい分析に入る前にまずは全体を把握する必要があります。まずはホームページ全体のセッション数とユーザー数、平均ページビューなど基本的な部分を見て行きます。
①セッションとユーザー数
セッション数はアクセスした回数のことで、ユーザー数はアクセスした人の数です。ホームページを作るとできるだけアクセス数を増やしたいと考えると思いますが、実はアクセス数は多ければ多いほど良いとは一概に言えません。例えば1万セッションあったとして、一人のユーザーが1万回アクセスしても1万人のユーザーが1回アクセスしても1万セッションになります。この例のように極端すぎるのは良くないのですが、ホームページの内容や向けているターゲットによって、多く広くの人に見られた方がいいのか、特定の人に何度も見られた方がいいのかは別れると思います。そのため理想と現状が合っているかどうかをセッション数とユーザー数を比べて確認することができます。
②平均ページビュー
平均ページビュー数は、1ユーザーあたり平均的に何ページ見ているかを表すもので、こちらは基本的には多ければ多いほど良い指標です。関心が高いユーザーほどたくさんのページを見るはずだからです。しかしこれがあまりに低いようだと、そのホームページはうまく機能しているとは言えないかもしれません。例えば商品販売サイトであれば、商品購入に結びつけるまでに、次のように最低でも5ページビューは必要なのです。「トップページ」→「商品情報画面」→「ショッピングカート画面」→「個人情報入力画面」→「購入完了ページ」となります。上記以外にも商品を比較したり、その会社を確認するために会社概要ページを見たりすることを考えればもっと多くなります。つまり4ページ以下のページだけ閲覧したユーザーの満足度は低かったと考えることができます。もちろん会社や商品情報を載せることだけが目的のホームページもあります。そのため、目的到達には最低何ページの移動が必要を考え、実際の平均ページビュー数と比較してみる必要があります。
ページ同士の比較で問題を発見
全体が何となくわかってくれば、次に個々ページ同士を比較してきましょう。ページ同士やサイト全体の平均と比較することで、人気ページはどこなのか、問題のあるページはどこなのか、その問題は何なのかを発見できます。問題のあるページを発見したら、必ずその原因見つけ、対策を検討しましょう。
①ページビュー数の比較で問題ページの発見
特定のページだけのページビューが多いというのはホームページとしてあまり健全な状態ではありません。例えばホームページ全体のページビューの半分以上がトップページに集まっているような場合、トップページ以外のページが充実していないのかもしれません。もっとサブページの内容をより充実させたり、トップページからへのサブページへのリンクの配置やデザインを変更したり、もっと他のページを目立たせる工夫が必要です。また特に商品情報や価格表など、売上に直結するページはページビュー数もページ別訪問数も増やしたいところです。重要なページなのにページビュー少ないのならば原因があります。トップページ同様改善方法を探すべきです。
②離脱ページの解析で課題発見
他よりも離脱率の高いページは要注意です。例えば内容が古い、あまり更新されていないページということはないでしょうか。もちろん離脱率だけで良し悪しを判断するのはよくありません。ユーザーは必ずどこかのページから離脱するので、全てのページの離脱率が0%になることはあり得ません。離脱率が高かったとしても、そのページが目的達成のページであれば離脱率は高くても問題ないわけです。例えば、「会社へのアクセス」のように、そのページが目的のページであれば離脱率が高いのは当然ですし、気にする必要はありません。また、内容が良くても、1ページのコンテンツが多すぎてスクロールが発生し、次のページへ移動しにくいため離脱してしまうケースもあります。内容を1ページに偏って充実させないよう、必要に応じて下層ページをつくるなどの対応も検討する必要があります。
また注意しなければいけないのは、例えば離脱率が100%だったとしても、アクセスが1しかなかったとします。離脱率が高いページでも、そもそも訪問数が少ないならば、一生懸命改善しても、その改善の影響は少ないのです。このページを改善して離脱率が0%になったとしても、訪問数は1しか改善しないのです。改善するべきページはセッション数と離脱率の両方を見て、なおかつそのページの役割も考える必要があります。離脱率を改善したときに、ある程度訪問数やページビューが増えるページに重点をおいて改善を行いましょう。
まとめ
アクセス解析とホームページの改善は必ずそのページの意味を考えながら行う必要があります。ただページビュー数が多い、離脱率が高いなどの指標だけで判断すると、判断を誤ります。それぞれのページがどんな役割をもっているのか、どれだけ重要なのかを考慮して改善することが重要です。大抵の場合、全てのページで全て改善することは難しいでしょう。だからこそ成果につながるページを見極めて優先順位をつけて改善することをおすすめします。
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